碧眼の天姫―刀の後継者


柳公園に入ると、沢山のひとだかりが出来ていた。


「…ここに千年が…あ!!」


千年が、ファンに手を振りながら車へと乗り込んだ所が見えた。


車は、ファンの間を走り去る。


「こうなったら…」

『人の目に気をつけろ』

「わかってる!!」


屋根の上に飛び乗り、車を追い掛ける。


すると、車が路地で止まり、千年が一人になった。


ファンの目を避ける為か。私服に着替え、サングラスをしている。


あたしはその後ろに降り立った。


―タンッ

「?」


千年がこちらを振り返る。あたしは千年に笑顔を向けた。


「待たせてごめん、千年」

「……美琴……?」


千年はサングラスを外し、あたしをまじまじと見つめる。


そして………







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