碧眼の天姫―刀の後継者
「三上 水鬼です。
隣のクラスには双子の兄、氷鬼も転入するのでよろしくお願いします!」
三上は黒板に名前を書く。
「鬼?珍しいね!」
「それでミズキって読むんだ。本当珍しい!」
クラス中が転入生の
話題で盛り上がる。
「三上の席は…萩原の隣で良いな」
突然の提案に俺の思考が一瞬停止する。
…俺の隣……?
「俺の隣は天宮さんの
席のはずですが?」
先生を睨みつければ、先生はハッとしたような顔をして気まずそうに視線を反らした。
「あ、あぁそうだったな…。だが天宮はしばらく休学する事になってる。同じ転入生として力になってやって欲しい」
「ですが…………はい…
分かりました」
渋々頷いて俺は隣の席を見つめる。
俺は…帰ってくる場所すら…守ってあげられない…
残してあげられないなんて…
「よろしくね、萩原君」
「うん…よろしくね…」
美琴ちゃん………
何処行っちゃったんだよ…
「美琴ちゃん………」
今…何処にいるの…?