碧眼の天姫―刀の後継者


「三上 水鬼です。
隣のクラスには双子の兄、氷鬼も転入するのでよろしくお願いします!」


三上は黒板に名前を書く。


「鬼?珍しいね!」

「それでミズキって読むんだ。本当珍しい!」



クラス中が転入生の
話題で盛り上がる。


「三上の席は…萩原の隣で良いな」


突然の提案に俺の思考が一瞬停止する。


…俺の隣……?


「俺の隣は天宮さんの
席のはずですが?」


先生を睨みつければ、先生はハッとしたような顔をして気まずそうに視線を反らした。


「あ、あぁそうだったな…。だが天宮はしばらく休学する事になってる。同じ転入生として力になってやって欲しい」


「ですが…………はい…
分かりました」



渋々頷いて俺は隣の席を見つめる。


俺は…帰ってくる場所すら…守ってあげられない…
残してあげられないなんて…



「よろしくね、萩原君」

「うん…よろしくね…」



美琴ちゃん………
何処行っちゃったんだよ…


「美琴ちゃん………」


今…何処にいるの…?









< 58 / 330 >

この作品をシェア

pagetop