碧眼の天姫―刀の後継者
「本当…考えれば考える程嫌になる…」
ショーウインドーから目を離して前へ進もうとした瞬間ー…
―グイッ
腕を力強く引かれた。
慌てて後ろを振り返る。
そこには………
「はぁっ…はぁっ………
美琴ちゃん…だよねっ…?」
息を荒くしてあたしの腕を掴む千年がいた。
「アンタ………」
良かった…怪我治ったんだ。ちゃんと歩けてるみたいだし…安心した。
ていうか…
「こんな時間に何してるの?不良少年」
もう夜の11時を回ってる。
こんな時間に出歩いて…鬼が出たりしたら…
「それはこっちの台詞だよね?女の子がこんな時間に何してんの?何で学校に来ないの??」
怒りを表にする千年をあたしは呆然と見つめる。
何で怒られてんのあたし…
「危ないでしょ?
襲われでもしたら…
それに…心配したんだよ?」
「あたしが?
そんな心配いらないし、
余計なお世話」
あたしは鬼を斬る女だ。
それに、こんなブスを襲うわけが無い。
「……美琴ちゃん……
無防備にも程があるよ?」
掴んでいた腕を勢い良く引っ張られる。