碧眼の天姫―刀の後継者


「ほら…今だって俺に抱きしめられてる…」


本当に一瞬だった。
気付いたら千年の腕の中にいて、気付いたら抱きしめられてる。


「ほら…無防備………」


千年が耳元で呟いた。
この腕の温もりも、耳にかかった吐息も…


心地良いと感じたのは
気のせい…?


夏休みも真近で、人肌なんて暑苦しいはずなのに…


「何で…こんな所にいんの?
あの化け物と何か関係があるの?」


質問攻めをする千年を前に何も言えなくなる。


どうして千年は…
そんな事を聞くんだろう…


ほって置けばいいのに…
面倒事にわざわざ首を突っ込む必要は無いのに…







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