碧眼の天姫―刀の後継者


「美琴ちゃん…俺は離れていかないよ。何を知っても…」


何を知っても……?


あたしが鬼と戦ってると知っても?


あたしの家の事を知っても?


それでもあたしから離れずにいられる?


「無理よ…アンタもあたしから離れてく…。普通の人間には…過酷すぎるから…」


受け止めきれるはずがない。
生まれた瞬間から背負ってきたあたしは別として…


「普通って何…?
俺も美琴ちゃんも同じでしょ?」


「違う。あたしはアンタ達とは同じになれない…」


同じになんて…
なれない……


「…俺は…………」

「うわあぁぁーっ!!!!!」


千年が何かを言いかけた瞬間、男性の悲鳴がそれを遮った。








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