碧眼の天姫―刀の後継者


『解放シロ…ソレガ最善ダ』


解放を………
すればするだけあたしの内臓は壊死し、いずれ死に至る代償…


でも今は……
それしかないんだ……


「…………ふぅ…」


あたしは深呼吸をしてから瞳を閉じ口を開く。


「天鬼、祖御霊奉る」


一瞬にしてその場の空気が浄化するように澄んでいく。


「我、天宮の娘なり」


自らの内に眠る
天姫の本来の力がゆっくりと
紐解かれる。


「碧瞳、血は証とし…
此処へ示さん、審議せん。
我…天姫なり……」



刀にいつか見た紋様が
浮かび、紅く光り出す。


そして……………






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