碧眼の天姫―刀の後継者


―ビカッ


まるでフラッシュをたいたように光が弾けた。


「…目覚めたか…天姫」


鬼の声が聞こえた方向へと勢い良く斬りかかる。


―ビュンッ…ザシュッ!!!


「ぐぁっ………」


鬼が呻き二歩、三歩後ろへと下がる。


「早く終わりにする…
あたしには…時間が無いの…はあぁぁっ!!!」


―ザシュッ

「やぁっ!!!」

―ザシュッ


さっきよりも刀が軽く感じる…


あたしの刃が鬼の急所を的確に射ている。


「ぐはっ…くそ……
簡単にはいかぬか……」


鬼は小さな笑みを浮かべて大きく後退する。


「分が悪い……
続きはまたにさせてもらう」

「待ちなさい!!!」

慌てて姿を追おうとした瞬間…


「げほっ…がはっ!!!?」


―ビシャッ



咳と同時に口から赤い何かが飛び散る。


口の中で広がる鉄の味…


まさか…血……?








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