碧眼の天姫―刀の後継者
『悲しい…
どうして分かり合えないのでしょう……』
「…え……?」
声が聞こえた……
女性のように柔らかな優しい声…
『本当は…分かり合えるはずなのに……
どうして戦わねばならないの…?』
また違う女性の声が聞こえた。
『同じ母鬼の血をひくというのに…
鬼を斬る度に胸が痛くなるのは何故……?』
どうして?
何で声が沢山………
頭がパンクしそう……
『火鬼…火鬼のやり方は破壊しかもたらさぬ…』
火鬼……鬼の長の事…?
『言葉を交わす事は叶わないのですね……』
沢山の声が一度に聞こえた。ノイズのように頭に響く。
『…我等の願いを……』
「願…い………?」
沢山の声が一つになって
言葉を語る。
『今世を生きる天姫よ…
我等の魂…そして主の魂を…』
そこで声が途切れた。