そばにいてくれたから



「んじゃ、俺に名前を教えてくれるか?」



あたしは小さく頷いた。



「んでお前の名前はなんだ?」


「……な」


「聞こえない、つかいい加減に顔上げろ!」



小山礼羅はあたしの頬を両手で触ってそっと上がらせた。



「さあ」



小山礼羅の顔はまるで何もかも受け止めてやる、そんな顔だった。





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