先生が必要なんです。

「ねぇ、先生。」

「ん?どうした?」

先生は煙草を加えながら
そう答えた。


「私、忘れられない人いる」

小さい声でそうつぶやいた。

「別に無理に忘れなくても
いいんじゃないかな?」

「違うの。前に進みたいの。」


不思議そうな顔で
「俺に全部きかして」と
言ってくれた。

そう言った後に先生は
車を停めた。


だから私は美穂に言ったように
山本先生にも同じことを
話した。そうしてると何故か
自然と涙が溢れていた。


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