優しい涙
実家へ送り帰されたらどうしよう…


父さんや母さんを悲しませてしまう…


誇りを持って送り出してくれたのに…

僕はここで自分に出来ることを見つけて、精一杯それをしなくちゃいけないのに。


それなのに…

挨拶すら出来ないなんて…

僕の中でふつふつと沸き上がる恐怖や悲しみ、寂しさがどろどろに混じり合って、何だか気分が悪い。

体がガクガク震える。

気がつけば頬に熱いしずくが幾筋も流れていた。
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