優しい涙
『おまえにしか、出来ないことを探しなさい』


それが僕の仕事なのだと藤波様は言う。
けれど僕にはそれが、わからない。

藤波様の役に立てることがしたいんだけど…

僕に何が出来るのかな…

考えれば考えるほど何もないような気がする。

役立たずどころの話ではない。

僕の存在は完全にムダになってしまう。

自分が何のために生まれて、どうしてここにいるのかなんて、僕には難しくてわからない。


でも藤波様に出会って思ったんだ。

この人の役に立ちたい。


藤波様に僕の存在を認めてほしい。


そのためには…
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