優しい涙
一度、草むしりにを始めたら、朝から晩までしているA7に問題がないとは言えない。


自分で充電出来ないA7は、いきなり玄関や庭で固まったまま発見され、充電室まで運ばれることがよくある。



誰かが世話をしないとA7は、ただのガラクタだ。


そのくせ休憩に誘っても応じないし、雨の日も草むしりをしたがるし、わがままだ。



でも、A7の調子が悪いとは思われたくない。


特に藤波様には…


それが彼女らしさだと言えば、何の問題もないことなんだし。



「A7は、その…頑張っています…」


僕が少し声のトーンを落として言うと


「そうだね。A7は頑張り屋だ。そのうち屋敷の芝がなくなってしまうかもしれないな」


藤波様が冗談っぽく笑った。


「そ、そんなことは…ありません!」


あ……


また


やってしまった…



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