優しい涙
「今日も退屈ではなかったか?」


それでも藤波様は、相変わらず優しく接してくれる。


「はい。藤波様の書庫には本がたくさんありますから退屈はしません」


「そうか。今度はもっと面白い冒険物語を取り寄せよう」


藤波様は僕の足元に積み重ねられた童話や児童書を見ながら微笑んだ。


< 68 / 113 >

この作品をシェア

pagetop