優しい涙
「わ、わかります!」

僕は藤波様の苦笑いを打ち消したくて、あわてて切り出した。


藤波様の言いたいことは、よくわかる。


そんな藤波様だから、僕はもっとこの人を知りたいと思った。

そして一生懸命つくしてみたいと思ったんだ。


伝えなくちゃ。


僕は藤波様に言いたいことが、たくさんあるんだ。


込み上げる感情が胸を圧迫して息苦しい。


生まれてくる感情を言葉で表現するのは苦手だ。

でも…!

「あ、あの…!僕は藤波様の言っていることが、よくわかります。

え…っと、それは…すごく、すごく藤波様のことが大好きだからです」



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