優しい涙
藤波様の袖にしがみつき、勢いだけに身を任せた僕の訴えを、藤波様は黙って聞いてくれた。


なんか、言いたいことが…少し、いや全然足りない気がする。


一番言いたいことを言ったつもりだったのに…


どこか釈然としない。

自分の言った言葉に納得出来ず、眉間にしわを寄せた僕に

「言いたいことが、たくさんあるんだろう」


藤波様は穏やかに笑った。

それから


< 99 / 113 >

この作品をシェア

pagetop