きら星の短編集
「バカじゃねぇの?」
「……えっ?」
「男が女の胸見て何が悪い?女だって、イケメンの顔見てキャーキャー騒いだり、引き締まった体見てドキドキしたりすんだろ。それと一緒だ。」
「でも……」
「でもじゃねぇ。」
岡本くんは、私の長年のコンプレックスを数秒で片付けてしまった。
「俺は男だから、女が好きだ。だから、お前を見てるとドキドキする。」
少し間があく。
「もし、お前がそんなくだらねぇ理由で男を避けてるなら、俺はお前を俺のにする。」
……何言ってるの?
「好きな女に嫌われてるの、結構辛いんだよ。」
岡本くんはそう言って私に近づき、ゆっくりと抱き締めた。
「……何してるの?」
「好きな女抱き締めて、何が悪い?」
「私は好きじゃない。」
「いいんだよ。これから、お前は俺のことを好きになるんだから。」
岡本くんはそう言って、より腕に力を込めてくる。
「お前の全ては、今から俺のだ。」
岡本くんはそう言って、ようやく微笑んだ。