きら星の短編集
高校3年生になり、最後の夏。
塚田くんは見事にエースナンバーを背負い、4番の座も射止めた。
もうすぐ始まる県大会のために、毎日練習をしている。
私はそんな彼とは対照的に、地味な高校生活を送ってきた。
私と彼が釣り合わないことを、私自身よく知っている。
だから、私はこの初めての恋をこのままで終わりにしようと思う。
想っているだけで、見ているだけで、こんなに幸せな気持ちになれたんだから。
夏が過ぎれば、勝っても負けても彼は引退。
私の特等席もなくなる。
後期は断固として学級委員も拒否しよう。
そう思いながら、今日も彼の姿を眺めていた。