きら星の短編集

「……俺、篠原さんのことが好きです。絶対に甲子園に連れていくから、一番近くで応援してください。」




……また頭の中が真っ白になった。




え?私、塚田くんに告白されてる?




「はぁ……。本命が現れたら、僕の立場ないじゃん。」





菊池くんはそう言うと、私たちに背を向けてその場を立ち去ろうとした。




「……菊池くん!こんな私のこと好きになってくれてありがとう。」




私がそう言うと、菊池くんは振りかえってニコッと微笑んでくれた。








「……ねぇ、告白の返事。聞かせてほしいな。」




それから、私は塚田くんと二人っきり。心臓の音が聞かれそうなくらい、私の心臓は鼓動を打っていた。





「……その前にいい?どうして私のこと……」




私がそう言うと、塚田くんは笑いながらやっぱり気づいてなかったんだって言った。





「……俺、ずっと知ってたよ。放課後、ここでグラウンドを見てる女の子の存在。」





そう言って塚田くんはボールを私に渡した。




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