きら星の短編集
……跡をつけるって、何か気がひけるよな。




風に吹かれる彼女は、画になるなぁ……。




「ごめん、待った?」




……森下。相変わらず外面はいいみたいだな。




「……ううん。」




「あの……山川さんが好きです。」




……やっぱり。




「ごめんなさい。私、好きな人がいるの。」




……好きな人いるんだ。




……可能性、本当に0になっちゃったな。




「……誰だよ、そいつ。」




「……えっ?」




「黙って俺だけ見てればいいんだよ!」




……森下のやつ。彼女の腕をつかみだして……あぁ、もう!




「お、おい!何してんだよ!」




出ちゃった……。




「あ?」




……足が震えるけど、少しだけ勇気を出さなきゃ。




たとえ、いい人止まりでも、大切な人を守りたい。
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