きら星の短編集
その日は、特に夕焼けが綺麗だった。




もしかしたら、僕がこの場所に通い始めてから一番綺麗な夕焼けだったかもしれない。





あくまで僕のうすっぺらい記憶なのだけれど。






言葉を変えれば、完璧すぎたのだと思う。





あんなに非の打ちどころのない夕焼けは異質だった。





それが証拠に、僕はすっかりその夕焼けに心を奪われ、夕陽が沈みかけるまでそこから動けなかった。





「あなたもこの場所が好きなの?」






突然聞こえたそんな声で我に返り、僕は辺りを見回した。






今まで誰かがここにやってきたことなどなかったので、とても驚いた。





しかし、どれだけ見渡しても誰の姿も見あたらなかった。


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