きら星の短編集
次の日から、僕が毎日同じようにあの場所に行くと、そこには必ず蛍が笑顔で立っていた。





僕は蛍のことを何も知らなかったけれど、そんなことはあまり問題にはならなかった。





毎日、夕陽色に染まりながら、他愛もない話を蛍とする……そんな時間が徐々に大切になっていった。





「優太は、何をしているときが一番楽しい?」





ある時、蛍が突然僕にそんなことを聞いてきた。





「えぇ……そうだなぁ。」





"蛍といるとき"と答えたくなったけれど、さすがに思春期真っ只中の僕には照れくさいセリフだった。





でも、僕には友達もいなくて、部活も何もやっていなくて、答えることがなかった。





僕は何と答えようか悩んでしまい、口を噤んだ。


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