きら星の短編集
「……蛍?嘘だよね?」





「今まで、私が優太に嘘ついたことなんてなかったでしょ?」





僕は、自然と涙をこぼしていた。






「……この数カ月、夏の季節の間、私に幸せな時間をありがとう。ね?これからは、毎日じゃなくて、辛くなった時とか、嬉しいことがあったときだけここに来て。私はもうここにいないけど、きっと空の上から優太のことを見てるから。」





「……嫌だ。」





「……そんなこと言わないで。私からの最後のお願い。ね?約束して。これからは自分の世界を広げていくって。」





……僕はこぼれてくる涙を拭った。涙で滲む蛍の顔は、夕陽色に染まり、とても美しかった。






「……バイバイ。優太。」





蛍はそう言ってニコッと笑うと、まばゆい光の粒となって僕の前から消えてしまった。






……僕は再び流れ出した涙を拭うことも忘れ、その光の粒に手を伸ばしたが、もう二度と僕の手に触れることはなかった。


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