きら星の短編集
……僕はその場にうずくまり、声をあげて泣いた。





もしかしたら学校中に響いたのではないかと思うくらいの声で泣いた。






……僕の生涯で、こんなに誰かを好きになることはもうないのかもしれない。






蛍が言うように、自分の世界をいくら広げたところで、蛍はもう僕の前には現れないのだから。






……でも、それが蛍の願いならば、一生懸命頑張ってみようと思う。






今度この夕陽を見るときは、心の底から笑えているように。







……蛍より好きな人が現れなくれもいい。






僕はずっと蛍を好きでいる。







……それくらいは許してくれる?







なぁ、蛍。


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