きら星の短編集
グラウンドやテニスコートからは部活をやってる声が聞こえる。
帰り道を、肩を並べて歩いていく男女もいる。
私は、1つ大きなため息をついてから、自分の自転車の鍵を外した。
「おーい!理沙!」
……まただ。17年間、耳にタコができるくらい聞いた声。
「お前なぁ、俺を置いて帰ろうとするなよ。」
「……別に一緒に帰ろうなんて約束してないもん。」
「かわいくないやつ。」
ブーっとふくれながら、そう言う彼。彼の名前は白石達也(しらいしたつや)。
私の唯一といっていいほどの友達。
まぁ、友達っていうか……