きら星の短編集
まだ、達也には不思議なことがある。
達也は運動もずっとバスケットをやっていたおかげか、ずば抜けてよかったし、頭だってものすごくいい。
運動も勉強も人並み以下の私とは随分違っていた。
だから、今の高校なんかじゃなくて、もっとレベルの高い高校を受験すると思っていたのに、中3の頃……
『なぁ、理沙。お前、どこの高校受けるの?』
『私?私は松岡高校を受けるけど……』
『ふーん。じゃあ、俺も松岡高校にしよう。』
『え?達也なら、もっと上の高校に……』
『あー、いいんだ、別にどこでも。それに、理沙もいるんだろ?楽しそうじゃん。』
達也はそう言って、あっさりと私と同じ高校を受験した。
もちろん、担任にはギリギリまで説得されていたけど、全く聞く耳を持っていなかった。