きら星の短編集
次の日、私は同じように放課後になると一人で帰ろうと、自転車置き場にいた。
ただ昨日と違うのは、いつまで待っても達也がやって来ないこと。
「……何待ってんだろ。」
私は何だか心にポッカリ穴が開いたようだった。
「永瀬さん!」
諦めて帰ろうとしたとき、聞き慣れない声が聞こえた。
「……重岡くん?」
「よかった。名前、覚えてくれてて。」
そこには、同じクラスの重岡くんが立っていた。
笑顔が素敵で、まるで王子様みたいな男の子だった。