きら星の短編集
「白石くんは国語の実習なのにね。英語の私のクラスに入ってもらっちゃってごめんなさいね。」
「いえ、今年は国語の実習生が多いんですもんね。仕方ないです。それに、どのクラスでも子どもたちとは出逢えますから。」
僕はそう言って、笑ってみせた。
「白石くんは部活はどうするの?」
「それが、運動ってどうも苦手で……」
「そうなの。あのね、私、女子バレー部の顧問してるの。運動の得手不得手は関係ないから、よかったら見に来ない?」
「バレー部……」
僕は、その話に何気なく首を縦に振った。
この決断が、僕と一人の学生の運命を狂わせていくとも知らず。