きら星の短編集
「あれ?坂井さん。もう飲まないの?」




私が今恋している彼は、私より身長が20cmも低い。




今までで一番大きい差。




でも一番、恋焦がれてる。




「そ、そんなことないよ!」




私はそう言って、ジョッキに入ったスクリュードライバーに手を伸ばす。




場をしらけさせちゃいけないよね。




「……無理しなくてもいいよ。」




「……え?」




「お酒は無理して飲むもんじゃないし、ね?」




……田端くん。私のこと見ててくれたんだ。




「おい!坂井!まさか、もう飲めないんじゃないんだろうな?」




……この先輩、酔ってる。




「先輩、坂井さんはもう体調がよくないから、飲ませちゃダメですよ?」




「何だってぇ?じゃあ、田端。お前が飲め!」




「……分かりましたよ。」




田端くん、私のために……。




こんなことしてもらったら、勘違いしちゃうよ……。

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