女装彼氏×男装彼女
「やっぱり、あなたを好きになって正解だわ!!見た目は美しい女の姿で、男のかけらはまったく感じさせない。でも、実は男!ということは、私達結婚できるのよっ!!」
け、結婚!?
そんな、俺の手を掴んで目を輝かせながら言われても
「いや、だから、俺には羽魅しかいないってあれほど・・・」
「いいかげんにしてください」
わ、羽魅?
「迷惑してるんです。離れてください」
・・・あの怖い、ではなく、近寄りがたい雰囲気だったときの羽魅じゃなくて、なんていうか・・・
今にも泣き出しそうな、怒りそうな顔
「な、何よ。人の恋は勝手でしょう!いくら、恋のライバルだからって殴ったりしたら、ただじゃすまなくってよ!?」
「殴られたくないなら、悠から離れてください。別に恋について何も意見するつもりはないけど、周りの人に迷惑がかかるような恋はほうっておけません」
・・・羽魅さん、泣いてますよ?
俺は先輩の手から逃れ、羽魅を抱きしめた
「ゆ、悠!?///」
「なっ、私の前でなんてことを・・・」
「俺は」
俺は・・・
「羽魅に嫉妬はしてほしいけど、泣くほど嫉妬はしてほしくないんです。それに、羽魅のためだったら全てを敵に回しても構わない。・・・これ、本気ですよ?」