イデア
「・・・・・ん・・」
眠っていたらしい私が目を覚ますと、何故か視界に羽瀬が映った。
「!?」
「あ、起きた」
そして何故か羽瀬はベッドに腰掛けて、肩越しにこちらを振り返っていた。
あまりの驚きに声も出ずに、勢いよく起き上がって羽瀬がいるのとは反対側に慌てて後ずさる。
「何やってんの?」
「や・・・逆に聞きたい」
「具合そんなに悪かったのかなって思ったんだけど、お前サボりだろ。元気じゃん」
「・・・ほんとに苦しかったもん」
「なんで?」
「・・・・・わかんない。原因不明」
「なんだそれ」
ぶはって笑って私の髪をぐしゃぐしゃにする。
「・・・・また、苦しい・・・・」
「え?」
「なんでもない」