イデア
■サン
体育祭2週間前になると、午後は体育祭準備と練習にあてられる。
私は特別棟で衣装を作っていた。
窓の外にはグラウンドが見える。
グラウンドでは騎馬戦の練習をする男子と、100M走の女子、あとリレーの人たちが練習している。
当たり前のようにその賑やかな声はここまで聞こえてきた。
賑やかなのは、みんなが練習を頑張ってるから、ってだけじゃなくて
そこにあの3人がいるからだ。
みんなの視線と歓声、ため息までを集めていた。
気だるそうに騎馬から下りた陽都と目があった気がした。
気のせいかなって思ったけど、陽都がこっちに向かって手を挙げた。
それに気づいたらしい静も並んで手を振る。
ふっと笑みが零れて、手を振りかえす。
「あの2人のどっちかと付き合ってんの?」
「わっ・・・・・」
いつの間にか後ろに来ていたらしい羽瀬が、後ろから手を伸ばして桟に手を置く。
背後から寄りかかられているような、その体温についドキッとしてしまう。
「付き合って、ない」
振り返ると、リレーの練習をしてきたらしい羽瀬が首にタオルをかけ、体操服の袖を捲り上げていた。
予想以上の近さに、羽瀬の体温を感じてくらっとした。
焦って窓の外に視線を戻した。
窓の外の2人はまだこっちを見ていたけど、手を振りながら練習に連れ戻されて行った。
私は特別棟で衣装を作っていた。
窓の外にはグラウンドが見える。
グラウンドでは騎馬戦の練習をする男子と、100M走の女子、あとリレーの人たちが練習している。
当たり前のようにその賑やかな声はここまで聞こえてきた。
賑やかなのは、みんなが練習を頑張ってるから、ってだけじゃなくて
そこにあの3人がいるからだ。
みんなの視線と歓声、ため息までを集めていた。
気だるそうに騎馬から下りた陽都と目があった気がした。
気のせいかなって思ったけど、陽都がこっちに向かって手を挙げた。
それに気づいたらしい静も並んで手を振る。
ふっと笑みが零れて、手を振りかえす。
「あの2人のどっちかと付き合ってんの?」
「わっ・・・・・」
いつの間にか後ろに来ていたらしい羽瀬が、後ろから手を伸ばして桟に手を置く。
背後から寄りかかられているような、その体温についドキッとしてしまう。
「付き合って、ない」
振り返ると、リレーの練習をしてきたらしい羽瀬が首にタオルをかけ、体操服の袖を捲り上げていた。
予想以上の近さに、羽瀬の体温を感じてくらっとした。
焦って窓の外に視線を戻した。
窓の外の2人はまだこっちを見ていたけど、手を振りながら練習に連れ戻されて行った。