秋恋たいふーん
ドアの方を見ると、
そこに立っていたのは秋山くんだった。
「あっ…秋山くん……どうして…?」
秋山くんは何も言わず
すたすたと近づいてくる。
「もう遅いのに、何してんだよ?」
へ……?
そう思って時計をみると、
短い針が5を少し過ぎていた。
ほんとだ………
わたし2時間以上もこうしてたんだ…
「あの…………雷が……だめで……」
やだな…子供っぽいって、
笑われちゃうかも。
そう思って俯いていると、
ふいに冷たいものが震える手を包んだ。
びっくりして見ると、
それは秋山くんの大きい手だった。