【完】そばにいるだけで



それなのに、愛莉までもが、



「いいじゃん!自分の好きなようにさせてくれるんでしょ」



なんてことを言う。



わたしはその言葉を聞いて、こんなふうに考える人もいるんだ、と新鮮だった。



女の子ならみんな、男子にリードされたいものだとばかり思っていたから。



わたしのそんな思いなどお構いなく、愛莉は、



「自分の興味のないところを連れ回されるより、ずっといいって!あたしなんかスポーツ用品店ばっか連れてかれてるんだよ?そんなしょっちゅう行ったって、置いてあるものなんて変わんないじゃん。なのに、『新しいモデルが出た』とかなんとか言ってさ。もっと気の利いたところ連れて行ってほしいよね!」



と、彼氏への不満をわたしにぶちまけた。


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