【完】そばにいるだけで

大人の男





その後も、桐生くんとは何度かデートをしたけれど、やっぱり、



「草壁さんが好きなのでいいよ」



ばかりだったので、わたしは少し桐生くんに落胆していた。



そして何より、いろんなことを自分で決めなければならないのが、わたしには苦痛だった。



だけど、その気持ちを桐生くんにぶつける勇気はなくて、わたしはため息ばかりついていた。


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