【完】そばにいるだけで
わたしは深呼吸してから、昨日の城山さんとのやり取りを知らない瑞希に、事情を説明した。
そして、屋上で桐生くんに言われた言葉も。
「そっか……」
そう言って瑞希は黙ってしまった。
「わたしがいけないんだよね。一瞬でも昴先輩に甘えてしまったから」
「う~ん。だけど、別に聖菜から先輩に甘えに行ったわけじゃないんだしさ。ちゃんと話せば桐生くん、わかってくれるんじゃないのかなぁ」
「だけど……わたし、あの時、桐生くんのことで悩んでたんだよ?」
わたしがそう言うと、瑞希は腕を組んでう~ん、とうなった。
そして。