【完】そばにいるだけで



そうして、わたしがぼやぼやとしている間に、城山さんは再び積極的に桐生くんにアプローチを始めていた。



話せるチャンスがあれば、少しの時間でも近づいていって桐生くんに言葉をかける。



桐生くんの対応は相変わらずクールだったけれど、それでも桐生くんと城山さんのツーショットを見ているのは辛かった。



桐生くんがわたしから遠ざかっていく。



片思いの時よりも。



ただのクラスメイトだった時よりも。



せっかく憧れの桐生くんと両思いになれたのに、苦しい。


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