【完】そばにいるだけで
大事件、発生
桐生くんとつき合い始めて4ヶ月、彼の隣を歩いて登校することにも慣れた。
今まで痛いほど感じていた視線も、ほとんどなくなった。
わたしと桐生くんが一緒に登校する光景は、いつの間にか、いつもの光景になっていた。
「おはよう」
いつもどおり教室で瑞希に声をかけると、
「ちょっとちょっと!大変!」
と瑞希は声を潜めて手招きした。
「なに?」
「あのゴミ箱に、入ってたんだって」
瑞希は、教室の後方にあるゴミ箱にちらりと目をやる。
「何が?」
すると瑞希は素早く左右を確認して、わたしの耳元で囁いた。