【完】そばにいるだけで
二人の関係
それから数日後の昼休み。
わたしは、いつものように無線室へ続く階段を上っていた。
すると、「ごほごほっ」と咳込む男子の声が、無線室の方から聞こえてきた。
それは、おそらく桐生くんの声だった。
大丈夫かな、と思った矢先。
「あ、ごめん。煙たかった?」
という、女子の声が聞こえた。
胸が、ずきんとした。
その声は間違いなく、三郷さんだったからだ。
どうしてここに、三郷さんがいるの?
わたしは足音を立てないように、無線室に近づいた。