【完】そばにいるだけで
「ほんと、あたしのこと、大っ嫌いなんだろうなぁ」
と言って、自嘲気味に笑った。
どういうことだろう、と首を傾げていると。
「うちのクラスのゴミ箱に妊娠検査薬捨てたのも、妙な噂流したのも、多分梅原さんよ」
そう言うと、三郷さんは長い髪をかき上げ、ふぅと大きく息を吐いた。
「え?どうして?」
すると、三郷さんは背もたれに身を預け、窓の外を行き交う人たちをぼんやりと眺めたまま、
「あたしの今彼 =(イコール)梅原さんの元彼」
と、淡々と告げた。