【完】そばにいるだけで



「あたしたちさ、今から打ち上げなんだ」



そう言うと三郷さんは、にやりとして。



「今日は夜遅くまで帰らないから、テツの部屋、二人で使っちゃっていいよ。イチャイチャしちゃって」



なんてことを言うので、わたしは一瞬で顔が真っ赤になった。



ちらりと桐生くんを見ると、桐生くんも耳が赤くなっていた。



すると。



「気持ちはうれしいけど、今日は遠慮しとく」



桐生くんは、そう言って頭をかいた。



気持ちは、うれしいんだ。



ただ、三郷さんの好意に対して言っただけだったのだろうけど、なんだかその一言がとても照れくさかった。


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