【完】そばにいるだけで
わたしと瑞希は受付をすることになった。
そして桐生くんと他数名が、一日中ターゲットの人を探してはシャッターを切るカメラマンになった。
文化祭を明日に控えたある日。
「草壁さん」
ふと振り向くと、そこには相変わらず背の高い桐生くんが立っていた。
突然の出来事に、わたしの体は固まる。
「なに?」
緊張して少し声が上ずった。
「携帯の番号と、メールアドレス、教えてもらえないかな」
淡々と言った桐生くんのその言葉に、自分の耳を疑った。