【完】そばにいるだけで



えっと、まだわたし何も言ってないんですけど……。



「まずその髪型。その中学生みたいな二つ分けは止めて、おろす」



有無を言わさず、愛利は勝手にわたしのゴムをはずす。



「お姉ちゃんは髪がさらさらできれいなんだから、そういうとこ強調しないと」



そう言って、髪をとかしていく。



「う、うん」



「それから、そのスカートね。気持ち短めの膝丈。短すぎるのはお姉ちゃんらしくないから、そのくらいがいいと思う」



「う、うん」



「それから、メイク。ちょっと待って。あたしがやってあげるから」


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