【完】そばにいるだけで



わたしが彼の腕を振り払おうとした時。



「誤解だから!」



それは、今までに聞いたこともないような大きな声だった。



「あれは城山さんが勝手にしたことで……その…僕の意思じゃない!僕が好きなのは、草壁さんだから!」



何を言っているのか、わからなかった。



理解するのに時間がかかった。



「……え?」



わたしは自分の顔がぐちゃぐちゃになっているのも忘れて、ぽかんとしてしまった。


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