【完】そばにいるだけで
どお?と渡されたそれは、デニムのショートパンツ。
「これは……抵抗ある」
わたしが少し顔をしかめると、
「なんでぇ?かわいいじゃ~ん」
と、自分のチョイスに間違いはない、と言わんばかりにわたしにショートパンツを押し付ける。
「だけどこれは……」
脚が細ければ履けるかもしれないけれど……。
「もう、お姉ちゃんはじれったいなぁ、いっつも」
「だってぇ……自信ないもん、脚」
「そんなの気合だって」
「気合なの?そういう問題?」
「そういう問題」
愛莉は大きくうなずいて見せた。