お嬢っ!!
帰り道は、いつも通り大通りを中心に帰る。
じゃないと、あの心配性の親父がうるさいからね…。
父さんは昔から過保護だ。というか過保護すぎる…
いい加減、子離れしてほしいぐらいだわ…。
私は大通りを正しく姿勢を取り、優雅に歩く。
決してボロをだしてはいけないのだ。
こういう日常も白鳥家のお嬢様と見られるから用心しなければならない。
ふとショーウィンドウを見ると、可愛らしい洋服がずらりと並んでいて、そこで服を買う女子高生2人が目に入った。
いいなぁ…
少し羨ましかった。というか、かなりだけど。
あんなに楽しく買い物をしたことは一度もない。服はデザイナーさんが選んでくれたり、作ってくれるから、買いに行く必要がないのだ。
本当は小百合と行きたいけど、私の立場上、一緒に行けない。
はぁ……
自由になりたい…。
ため息を溢しながらも、家へと一歩、また一歩進む。