お嬢っ!!
父さんはとにかく海外へ行くことが多々ある。
体を壊さないか心配だ。
ましてや須崎さんの方がもっと心配だ。父さんの仕事のサポートをしながらも私の面倒を見てくれる。ついこの間も勉強を見てもらったくらいだ。
須崎さんの顔をよく見ると、目の下に隈はあるし、少し痩せたように見える。
いくら二十代といえども、体はもたないだろう…。
「須崎さん…いつもありがとう。」
私がいきなり「ありがとう」なんて言うから、須崎さんは目を開いて驚いたが、直ぐに優しく微笑んで、
「仕事だからというのもありますが、私がやりたいからやってるだけですよ。だから、お嬢様は心配なさらないでください。」
と言ってくれた。
須崎さんよぉぉぉ
泣かせてくれるじゃないの!
やっぱり貴方は最高だっ!
私の心は、感謝と感動で埋め尽くされた。
「では失礼します。」と言って須崎さんは、素早く車に乗りいってしまった。
あーあ、行っちゃった。
私は、須崎さんがあっという間にいなくなってしまい、少しその場でボーッとしていた。
柔らかい風が、私の髪を優しく揺らす。
いい天気だなぁ…
そう思いながら、これから何をしようか考えた。
今日は、誰もいないんだよね〜。
父さんも、須崎さんも……
ん?
てことは…
街にでれるぅー!!!!
きゃっほーい♪♪
はっきり言おう、完全に今私は浮かれている。
だって、普段は父さんに街には行くなと言われ、中々行けないから、正直我慢は限界だった。
「よしっ!そうと決まれば、着替えて早く街に行こうっと♪」
もう完全に浮かれている私は、急いで家に入り、着替えて街に出掛ける準備をした。