お嬢っ!!
ヤバいぞ、ヤバいぞ。
と、とにかくこの場を離れなければ…。
絶対こいつ腕を離そうにないしなぁ。
でも、運がいいことにつかまれている方は利き手じゃない左だ。
仕方ない…、
父さん、今からやること許してね。めんごっ☆
父さんに心で謝りながらも、利き手である右を勢いよく彼の顎へとアッパーをくらわす。
すると彼は、綺麗に放物線を描いて飛んだ。
まさか、女子がアッパーするなんて思わないわな…。
思っちゃいけないだろうけど……ら、ラッキ〜!
遠くから「いってー…」という声が聞こえたけ……いや、幻聴だ幻聴。
気にせずここは去るのが一番いいだろう。
逃げるが勝ちだ!
私は、さっさとその場から立ち去り家へと逃げるように走った。
しかし、私はここでミスをしてしまったのだ。