お嬢っ!!
早い再会
――――*********
男から逃げた後、何事もなく家へ帰ることができた。でも、私が息をかなり乱しながら帰ってきたからお手伝いさん達は、私に何かあったんじゃないかと凄く驚いてたけど…。
まぁそこはなんとか適当に誤魔化しといた。
お手伝いさん達は、それ以上深くは聞いてこなかった。
父さんだったら、私が本当のことを言うまで絶対引き下がらない。それはマヂで勘弁…。
でも、その父さんが今日はないから、良かったけど。
安堵の息を溢しながら、ジーパンのポケットに手を入れる。
ん?
あれ?ないぞ…
おいおい、私…まさかと思うけど……落とした?
アレを落としたらヤバいっしょ!?いや、ヤバいで済まないし…。
も、ももももしあの男が拾ったりしたら、……完全に私のことバレるぅぅぅ!!!!!!
どうすんのさっ!さっきの私の必殺アッパーちゃんが水の泡だぜ!?せっかく久しぶりにアッパーちゃんが登場して、スッキリしたばっかりなのに…。
ゴメンね、アッパーちゃん。
あたいは残念な奴さ…。
酷い奴だよ。
ととととととにかくっ、何とかしなければ…!!
で、でも今さら街に戻れないし…。明日探すしかないな。
諦めて、明日探すことにした。