お嬢っ!!





「リコ様、どうなさったのですか?」




「まぁ、顔色が悪いですわ!」







なぜか私の周りにはたくさんの人たちが集まって、数人の子は私が体調でもくずしたのかと思ってしまったらしい。






おっとー。
こりゃヤバい。





「何でもないわ。大丈夫よ。」





いたって平然な私の言葉を聞いて安心したのか、その子達も席に戻っていった。





イカン。こんなとこでボーッとするなんて、何をしてるんだ私。


しっかりしろ!!





自分に活を入れて、集中させる。




私は、常に完璧でなければならない。何があってもだ。




「よしっ」ともう一度小さな声で活をいれた。






――――――――




今日も、結局暇だったなぁ。




朝早く来たら、面白い事でも起きると思ったのに……。





まったくの収穫なしだった。




何もやることないし帰ろーっと。



今日は、小百合は家の事情で早く帰っちゃったから1人だし…暇人決定だな。




「リコ様、さようなら!」


「さようなら。また明日ね。」





柔らかい笑みを作り、教室を出た。




昇降口を出て、昨日の出来事を思い出す。





…………。






探しにいかないとな。



重い足取りで、正門までのこの長ったらしい道を歩く。



正門の方へ目を向けると、なにやら人だかりができていた。





誰か来たのだろうか?





< 25 / 76 >

この作品をシェア

pagetop