お嬢っ!!
「リコ様、どうなさったのですか?」
「まぁ、顔色が悪いですわ!」
なぜか私の周りにはたくさんの人たちが集まって、数人の子は私が体調でもくずしたのかと思ってしまったらしい。
おっとー。
こりゃヤバい。
「何でもないわ。大丈夫よ。」
いたって平然な私の言葉を聞いて安心したのか、その子達も席に戻っていった。
イカン。こんなとこでボーッとするなんて、何をしてるんだ私。
しっかりしろ!!
自分に活を入れて、集中させる。
私は、常に完璧でなければならない。何があってもだ。
「よしっ」ともう一度小さな声で活をいれた。
――――――――
今日も、結局暇だったなぁ。
朝早く来たら、面白い事でも起きると思ったのに……。
まったくの収穫なしだった。
何もやることないし帰ろーっと。
今日は、小百合は家の事情で早く帰っちゃったから1人だし…暇人決定だな。
「リコ様、さようなら!」
「さようなら。また明日ね。」
柔らかい笑みを作り、教室を出た。
昇降口を出て、昨日の出来事を思い出す。
…………。
探しにいかないとな。
重い足取りで、正門までのこの長ったらしい道を歩く。
正門の方へ目を向けると、なにやら人だかりができていた。
誰か来たのだろうか?